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ビリー・ザ・キッド、久しぶりだね。

昨日DVDで久しぶりに観直した映画、サム・ペキンパー監督の

【ビリー・ザ・キッド/21才の生涯】、本日の日常是映画劇場の紹介は、この作品。




クリストファー・ノーラン監督の【インセプション】での美しすぎるスローモーションを観てから、

DVDを返却にいった図書館で、コイツがあったので借りることに。


ご存じバイオレンスの巨匠であるペキンパー監督は、暴力描写を短いカットつなぎで紡ぎ、

派手なスローモーションを多様化した、男の美学な映画野郎。


おそらくぼくが、短いカットつなぎやスローモーションが好きな理由は、

断然ペキンパー監督の影響かと思います。どちらを選ぶかといえば、長回し派監督は苦手。


さて、この作品【ビリー・ザ・キッド/21才の生涯】と間抜けなタイトルであるが、

本当の原題は、【Pat Garrett & Billy the Kid】。つまりは、

ギャレットとビリーの生きざまの友情と腐れ縁、男臭さを描く、哀愁のお話です。

2人を中心に、西部の美しい空の下で、ウイスキーと共に生きる無頼漢や、

ヒーローにあこがれる周囲に生きている人の価値観など、西部時代の終末論が垣間見れます。

そこに本人自身も出演していますが、ボブ・ディランの歌がいいですね。


弾丸で身体が開き、オレンジみがかった飛び散る血は、化粧品メーカーである、

マックスファクターのものでしょうか。(たぶん。)

この時代の血のりは独特で、何か人生明るさが、一瞬に消えてしまうような、

炎の美しさすら感じてしまいます。


映画を観直して、時代の変わり目に生き方を模索する姿や袂を分かつ友情、

今も変わらぬ男のバカな理想論の孤独さを感じます。男とは可哀想な生き物で、

自身の誓いを立てて生きるしか、方法を知りません。本来、不器用なのです。

なかなか、動物的な本能や感をもつ、女人のようには上手く世の中を渡れないものですね。


オープニングシーンの1909年の色あせた時代に生き死んだギャレット。

そこにアクションカットバックするように、眩しい光を放つ空の1881年の西部が、

生き生き輝かしいのが対照的だ。はじまりからビリーとギャレット、美しい語り部だね。

お見事ペキンパー監督!


どこかで逃げることなく引き合いながら、望まない最後の闘いで、

ビリーの『誰だ?』の言葉に、ギャレットがビリーを撃ち取った直後に、

ギャレット自身が鏡に映った自分の姿を打ち抜く姿に、涙は止まらない。

相思相愛の男友情に、ペキンパー監督、神です!


ラストシーンで子どもが石を手にして、ギャレットに何度も石を投げつける場面は、

ビリーのヒーローぶりを見せるだけでなく、冒頭のギャレットの射殺に上手くつながっているね。


久しぶりのペキンパー節に感傷にひたりました。そして忘れていたよ、この頃の青春映画ね。

若い頃から大切に残っているおススメ映画です。

ビリー役のクリス・クリストファーソンも、ギャレット役のジェームズ・コバーンも最高だし!

2人の笑顔は忘れられませんな。時代が移り変わっても、

男とは変わらないものだと、教えてくれた男のバイブル映画だね。  出町光識


オマケ、ジェームス・コバーンとペキンパー監督の組んだ名作【戦争のはらわた】。




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出町光識ホームページhttp://www.mitsunoridemachi.com/
by ubusuna-art | 2012-07-28 08:05 | 映画・テレビ(寄り神)


出会いはアート。アトリエでのアート制作と、夜な夜なの日常是映画劇場のご案内。出町光識の脳内ナビゲ―ション日記  


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