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借りぐらしのアリエッティ

7月26日、下妻ジャスコ。

相変わらずの貧乏とお金がないから、

レイトショーという割引の時間枠で、

ジブリ最新作【借りぐらしのアリエッティ】を観賞。


日中での上映時間は分かりませんが、

茨城の田舎では、ジブリとはいえ、お客さんはまばら。

15人ほどの貸し切り状態。


田舎で東京多摩を舞台にした、自然豊かな話をみるなどという

人はいないのかな。 ははは。言いすぎですね。


借りぐらしのアリエッティ_f0230584_7191259.jpg

さて内容は、まだ観てない人もいるでしょうから、

あまり詳しく書けませんが、

ジブリスタジオ最年少監督 米林宏昌さんの作品です。


94分という上映時間から、

だいたい構成内容や、盛り込みも想像どおりで、

自分としてはとても満足でしたよ。

(正直いえば映画は90分ぐらいがベストで、2時間以下理想的だと思っています。)


映画の内容も、詩のようなもので、

かなりこちら側に、想像力を必要とする作品だと思います。

かといって難しい内容や構成はなく、ストーリーも単純ですから、

分かりやすいため、物足りなさをいう人もいるのだろうなと思います。


みずみずしく若いストーリーテーラーの物語ゆえに、

語らない部分、もしくは描けきれない部分は、

映像の行間を読むという、観客側に余白の自由さを

楽しむ必要があると思いますね。


映像から読み取った主題は、【もののけ姫】のテーマのようで、

シンプルに生きる生命と力強さを描いたり、

生物同士が干渉しあってはいけないという、

命における暗黙のルールや、約束を見せたかったのでしょう。


だから、小人の少女アリエッティや、少年の翔をのぞけば、

感情という情はほとんど描かれない。

たとえば物語には、母親という母性愛など意図的に排除されていたし、

アリエッティのキャラクターはジブリ映画でも、

極めて可愛らしく、凛としていて魅力的な女性ですが、

映画に出てくる他の女性は、逆に女性としては不快ですらあります。


ここで重要なのは、生き物の単純な命の強さであり、

情でなく品の話なので、それも引き立ち、

ああだこうだと求めないところが、いいのでしょうね。


だからといって、アリエッティと翔の出会いは、

枯れてサバサバとはしていなく、

子どもゆえに、無垢で気高さすら存在したのでないかと思います。



借りぐらしということからも、人間だけにではなく、

もっと大きな絶対存在な自然や、すべての生き物のから、

わずかばかりを借りながら生きていくという

生かされたり、ほどこし合ったりということの美しさと、

自分本位に欲望のままに貪ったり、餓鬼になることのないのがいいね。

翔の一方的な価値観の想いが、切ないシーンもありますがね。


この映画を観た人は、あんなラストシーンや、

物語の起伏や、描写の物足りなさをあげるかも知れないけど、

それは映画のなかに求めることではなく、

実際の観賞者自身の人生で、埋めていくものだと思うので、

これでよいのでないだろうか。


オープニングの俯瞰図の都会の街なみに、

描かれた妙に強い日差しが、

すべてを同じように包むこむという、

生きてるという悪平等の残酷さすらあり、

感じすぎだろうが、あらゆる生き物の強さを数秒で感じさせた。


案の定、少年翔の心臓病に病んだ登場は、

それに対比し、現実という儚さの吐息を感じさせてくれた。


ラストの登場人物たちの宿命や寿命、種の生存の旅立ちは、

生きているという時間の長いとか短いとかよりも、

その時間を単純に過ごすという、濃厚なシンプルな強さであり、

今豊かに生き過ぎる現代人には、多くを望む贅沢さから、

エキサイティングさがないから物足りないだろうな。


でも生きてる価値など、実際に生き物すべてにおいて、

競争の勝ち負けや損得でなく、

一瞬の命の儚さのなかでの出会いという永遠さの豊かさであり、

少年翔と少女アリエッティの儚い命ゆえ、

それを十分に知らせてくれたと思う。  


映画【借りぐらしアリエッティ】は、傑作とはいわないけど、

みずみずしい小さな佳作であるのは、間違いないかな。

とても宮崎監督でなくとも楽しめましたよん。   謝金借りぐらしの出町光識



追記 それにしても映画鑑賞後に下妻ジャスコから出ると、
    むっとした夏の暑さに漂う、畑の肥やし?肥料の匂い?は笑えるな~。
    あ~ああ、文化的でない田舎生活。生きているとは残酷だな~。ははは


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by ubusuna-art | 2010-07-27 07:05 | 映画・テレビ(寄り神)


出会いはアート。アトリエでのアート制作と、夜な夜なの日常是映画劇場のご案内。出町光識の脳内ナビゲ―ション日記  


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