気のあう木。

沈みいく太陽が飴玉のように、きれいな夕暮れ。

すこし酷く悲しいものを見た。

いつもはあるはずのものが、見あたらない。無くなっている。



とある旧道に、それは立派な大木が立っている。

身なりも良く、大きく茂った枝たちは天に向かい、

まるで丸く広げた顔や、頭髪のように伸びていた。


何だかんだと生活をする足で、

木の下を通るときには、不思議と挨拶をしたくなる。



こんにちは。

ただいま。

げんきですか。

げんきですよ。



他人の庭にある借景なのだが、

旧道に大きく木陰をつくるほどだから、

抱かれる気持ちは、誰もがそう感じていたに違い。

その存在は地域を守るに値する、

お地蔵さんや道祖神のようなものだったと思う。


何らかの理由があって持ち主さんは、

切らなくてはいけないことになったのだろうが、

木の下部にある枝が、白い切り口を見せて、

悲しげに刈り上げられているのは、

やはり、ツライ。



まだスッパリと切られたわけでないのが、

無力という者の救いかな。

昨日は辛さに思わず、目をそむけてしまいましたが、

つぎに通るときには、よく見るとしよう。

これまでのように、木だって見てほしいはず。

見えない地下の部分には、りっぱな枝と同じだけの、

まだ大きく根を蓄えて生き抜いているのだから。   出町光識


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by ubusuna-art | 2010-04-07 11:07 | 散歩(遊行僧)


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