川崎映画【どぶ】、師匠の言うとおりだな。
本日の日常是映画劇場は、新藤兼人監督の【どぶ】1954年作品。
残念ながらネットでは、予告編がアップできませんでした。
制作は吉村公三郎さん、音楽には伊福部昭さん。
俳優陣は、新藤監督の奥様であった元タカラジェンヌで、100万ドルのエクボと呼ばれた、
ご存じ乙羽信子さんが主演、そこに絡むのが劇団民藝の創設者である宇野重吉さんと、
日本映画界きっての名わき役である殿山泰司さん 。その他も豪華キャストですよ。
昭和の日本映画界では、重鎮といわれる面々が多数出演。好きな方は良く探してみてくださいね。
この映画を観ようとしたきっかけは、ココロのボス(師匠)との会話。
アートパパ『子どもの頃に、八丁畷駅で映画の撮影をしていたんだ。【どぶ】って映画だよ。
川崎でどぶだってよ。みてみてえなあ。』
ってな訳で、師匠の子ども時分の川崎の風景みたさに、これをツタヤでレンタルしました。
確かに映画の舞台は、川崎、鶴見にはじまり、南武線の八丁畷駅もありました。
他にも松戸競輪に、秩父の繊維工場、土浦の女郎屋?、赤羽なんていうのも地名では出てきます。
こんな時代に師匠は生きていたのだな。。。と感慨深かったです。
簡単なあらすじは、工場長や地主などのお金持ちな資本家たちと、
それらに関わり搾取される弱い立場の人。工場でのストライキを通しての対比が、
この映画の軸になっています。そこに主人公の乙羽信子さん演じる、
頭の弱いツルが巻き込まれながらのいろいろと人生流転して、たどり着いたカッパ沼。
その貧民部落で住民たちに優しくされていると勘違いしながら、
カッパ沼に住んで、意地悪な資本家たちの犠牲者であるのだ、ビンちゃんや徳さんたちはと、
そのために身を売って仕事するが、貧しく弱い男たちもまた搾取しているのだ。そして。。。。。
ここでの乙羽信子さんは、まるでフェリーニ映画のジェルソミーナそっくり。天使であります。
まあ、新藤兼人監督と乙羽さんは、フェリーニ監督とジュリエアッタだね。
日本戦後の貧しさのなかでの美しさ。奇しくも同じ敗戦国であったイタリア映画と似ているとはね。
少し古い映画ですから、見づらいこともありますが、サイレント映画風の演出も含め、
日本映画ファンやフェリーニ映画ファンにはお薦めです。
しかし、師匠との会話そのもの、川崎を知るには良い映画でした。 出町光識
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出町光識ホームページhttp://www.mitsunoridemachi.com/
◆展覧会のおしらせ◆
カレーの器展 11月15日(木)~12月5日(水)
(ギャラリー玄海)東京都新宿区新宿5-16-3 マルイメンズ館1F ℡03-3352-3105 http://www.genkai.co.jp/shop/gallery/index.htm
カレー皿を改めて探してみると、種類の少なさに気がつきます。カレーの為の器を、9名の陶芸家が精魂込めて造りました。 稲垣美穂・井畑勝江・金憲鎬・小沼寛・高尾葉子・竹内晴美・出町光識・波多野祥子・藤原ひろ子
by ubusuna-art
| 2012-11-28 15:58
| 映画・テレビ(寄り神)
出会いはアート。アトリエでのアート制作と、夜な夜なの日常是映画劇場のご案内。出町光識の脳内ナビゲ―ション日記
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