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みんなさん、さようならの蛮族の侵入、面白い。

今宵の日常是映画劇場は、ドゥニ・アルカン監督の2003年の【みなさん、さようなら】。

これはまず、何といっても邦題が悪いね。これでは鑑賞する側にかなりの不満がでるよね。

原題は【Les Invasions barbares 】(蛮族の侵入)






この作品は米国アカデミー賞の外国語映画賞を受賞。

その他にも、セザール賞の作品賞・監督賞・脚本賞。

カンヌ国際映画祭の脚本賞を受賞。女優賞を薬物中毒のナタリー役のマリ=ジョゼ・クローズが受賞。


ここまで受賞が多いと映画ファンならずとも、映画を見たくなるかもしれない。

ましてはこれが、山田洋次監督の【たそがれ清兵衛】を抑えての外国映画賞受賞となれば、

日本人なら、なんだと、ム、ム、ムと、それならと観てみたくなるかもしれない。


でもご用心。

この映画はかなり好き嫌いが分かれると思います。本当にご用心です。



ストーリーはモントリオールに住む、父親のレミが末期癌を患っていると、母親からの電話で知り、

ロンドンで働く息子のセバスチャンは、モントリオールへといく。

レミは歴史学の大学教授であるが、頑固で女癖が悪く、酒好きときている。息子セバスチャンは、

当然ながら父とは仲が悪い。そんな父親のようなにはなるまいと生きてきた。

そんな父にも献身的な母から頼まれ、セバスチャンは父親レミの最期を家族と友人たちと、

過ごし楽しいものにしようと、お金を使い手を尽くすのだが。。。。



どのようにこの映画をご紹介したらいいのかな?

ぼくは正直いって、この映画はかなりの拾いもので、とても楽しめた。いい映画です。

1度目に観たときより、何度も何度もDVDを見直すと、さらに上手い映画だなと思ったりした。


でも、人に薦めるのは難しい。上記に書いたあらすじの中身は、ほとんどが下ネタ続きだしね。

ストーリーの奥底にあることを垣間見ようとすれば、かなり難しい内容かもしれない。

下ネタで?難しい内容?ム、ム、ム。どんな映画なんじゃい???


ちょっと飛びすぎた?例えでいえば、【ピーナッツ】スヌーピーだろうかな。

スヌーピーって淡々としていて、ピーナッツでも食べながら、面白くも観れるだろうが、

けっこう奥が深くて哲学的っていわれるでしょ。あの【ピーナッツ】みたいに?登場人物たちに癖があって、

淡々としながらも人物たちが下ネタ満載?(ここが違う)を楽しみながら、ひとりの人間の死の最終を見つめ、

そばにいて見守り見送っていく。


日本人には、苦手な下ネタも、会話の楽しみも満載だからね。

ディスカッションっていうか、話し合いっていうかな。日本人は不慣れで難しいですかね。

それでもポップコーンでも食べながら気楽に見てほしいんだな。


とにかく会話が良いんですよね。カンヌの脚本賞は本当に頷けます。

誰かに感情移入をして感動するというよりも、登場人物たちと一緒にそこにいて、

成り行きを楽しむ映画です。本当に大人の映画なんでしょうね。

こういうの苦手な人も多いだろうな。


それに原題【蛮族の侵入】ですから、裏を読み抜けば、人類の歴史は人殺しの歴史。

蛮族の侵入とは歴史そのものなのだろうし、社会主義、資本主義。宗教、国家、当然アメリカ。

9.11ツインタワーの崩壊。イスラム原理主義。ホロコースト大量殺人などなど。

小難しいかもしれないが、何度も見ていると心地よくもなる。


そんな難しい感じのなかでも、こんな良いシーンがるんですよ。

息子セバスチャンがディーラーで、お金ばかりで人を動かそうそうするのだが、

後半になると、幼馴染の薬物中毒ナタリーと微妙に良い関係になっていくところ。いいね。

その結末は何とも切ない。これも父親の死を通して、ふたりの変化していくところは興味深いね。


それから多用されているフェードアウト。これは勉強になったな。

自分の好みタイミングと違うところが、とても興味深かったな。


さあ、久しぶりに、面白い映画を拾いみれたなと感じです。

好きな人は好き!嫌いな人は嫌い!そんな映画もたまには良いのでないでしょうか。

ぼくは好きです!

できれば、続編あるといいな。そんなことめったに思わないんだけどな~。ははは


では【蛮族の侵入】お薦めです。では、サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ。 出町光識



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出町光識ホームページhttp://www.mitsunoridemachi.com/

~展覧会の告知~
開催企画:小名浜国際環境芸術祭
開催場所:環境水族館アクアマリンふくしま(福島県いわき市) 
開催期間:2012年9月15日(土)~11月11日(日)
*2003年に開催されてから今回で9回目。キッズアート展での関連企画で、
ぼくと福島県立博物館の連携で実行した、震災後に福島県内外(世界中)の、
子どもたちから寄せられた、アクアマリンへの応援する魚の絵メッセージカードを、
2012再構成展示しました。ご協力してくれた子どもたちありがとう!

他にも大漁旗デザイン展や地球環境の保全、海洋資源の持続可能な利用をテーマとした、
芸術作品を展示されます。 ぜひ福島へお出かけください。



出町光識うつわ展 陶庫石蔵ギャラリー  彩泥:カップいろいろ。
 10月27日~11月14日 栃木県益子町城内坂2 TEL 0285-72-2081
泥‐Ingシリーズの器展です。この期間の一部は益子陶器市にかぶりますので、
皆さんのお越しをお待ちしていす。
*完売しましたマグカップは、11月5日に追加しました。

by ubusuna-art | 2012-11-08 21:49 | 映画・テレビ(寄り神)


出会いはアート。アトリエでのアート制作と、夜な夜なの日常是映画劇場のご案内。出町光識の脳内ナビゲ―ション日記  


by ubusuna-art

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