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映像作品・アッズローの水につかる気分でね。

もうひとつの川崎市民ミュージアムでの展覧会をご紹介。

中村正義は顔の絵画展。この日は、どちらかといえば観客の顔ぶれは、絵画好きでも通な輩が、

目立っていた。それはそのはず、マニアを唸らせる画力なのだから。

それに聞き耳をたてると、あちらこちらから中村家の親族の友人?、知人らしき?

オバサマの声も聞こえてきたね。川崎ゆかりの作家ならではの、アーティストが日常に近くいる、

ある意味でアットホームといえる会場だった。


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そちらと対照的な展示は、スタジオ・アッズロー展-KATARIBE-の展覧会。


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こちらの会場では、現代アートである体験型の映像作品。休日ということもあり、

また違ったアットホームさが漂う。子どもたちや親子連れが目立ち、

お母さん、お父さんと子どもたちが多いな~。


子どもにとって、展示内容の意味などわからなくても、そんなことはどうでもいいのだろう。

アッズローの感覚をシャワーのように浴びれば、その映像の飛沫に楽しめる。微笑ましい。


それに何といっても、美術館での監視員さんが、いつもとは違い、子どもたちに作品に触ってと、

絶妙なタイミングで話しかけてくる。嬉しいね!これって、通常の展覧会ではあり得ない光景だね。


『絵画に近寄らないでください!』

『お手を触れないでください!』

『写真は撮らないでください!』だって目くじら立てて、こんなことを叫んでいる美術館は、

ガラパゴス日本だけかもしれないよね。あくまでアートとは娯楽であるのだから。


ある地元茨城の友人Tさんが、日本人ほど良く学ぶ国民性はないと、いってたことがあるけど、

そうは思わない。遊ぶことが得意でない国民なのだと思う。子どものように素直な感覚で、

遊べるという無邪気さは、この国では遊びよりも学びが上だという価値観、

その人生の貧しさによるところだろう。対比の成りたちではない、それは同意の価値である。

遊べないと、学びなどはない。または遊びには、学びという心構えも必要かな。



そして、スタジオ・アッズローの作品を鑑賞しながら、この川崎新百合の地で学生時代に、

映画畑の教育を受けた自分に、今までとは違う価値観があることに気付かされた。

これまで多くの美術館で、見かけることがあったアーティストの映像作品は、

足を止め、取り留めて観ることは、けしてしてこなかった自分がいる。



それが素直に向き合えるようになった。


歳をとったのか?それともこのところ、このブログでお馴染みのDVD洋画鑑賞で、

心のホワイトスペースにゆとりが出来たのかもしれない。

自分は子どものときから映画が好きで、この頃は疑う余地もない恋い焦がれ。

そして一時期から映画と別れては、愛が逆恨みとなったのか?好きすぎて映画を拒んでもいたが、

今ではそのあらゆる映画を抱きしめたい自分がいる。(大人になったのだろうか?)

だから、映像作品にも拒みが生まれなくなったのだ。

映画を赦したというより、自分自身を赦したのだろう。どんな過去も自分の血と肉なのだ。

ぼくにとっては、映画は骨格であり、バックボーン。(もう見失なうことはない。)



映画は人生そのものでもあるが、すべてが恋愛。つまりは恋する実験。

だから昔から実験映画という呼び名のアート作品に拒否があったかな。

どれも映画の出来損ないしか見えず、しいて面白いものも少ない。。。。

それに映画において実験がないシーン、カット、シークエンスなど、

もとから、ひとつとして存在しない。



でも、今回、アッズローの展覧会を観て、素直にイタリア野郎だな~と、楽しむ自分。

ここにあるコミュニケーションこそが、ましくそれだ。

映像に触れて遊び、語り部を聞く。その行為自体が、よくイタリア映画のなかにある、

エピソードともいえないだろうか。だからこの展覧会で、イタリア映画をみているような気分で、

それでいてスクリーンのなかに入り込んだ自分たちがいた。



ましてや、スタジオ・アッズローが、3・11震災にや津波、原発に向き合った日本人に対して、

どれほどまでに思い寄せ歩み寄り、このアート作品たちをチョイスして、

贈り物として展示をされたのかは不明だが、彼ら自体の名前のアッズローという、

海や空の青色という意味なこともあろうが、あまりにも、今の海と空を思いを寄せる日本人には、

メッセージ性の高い展覧会で、贈り物なような気が個人的にはしました。

皆さんはいかが感じますでしょうか?


【水たまり(子供たちに捧げられた微小の風景】
【泳ぐ人(ハイデルベルグに通いつめて】
【第四の梯子(サンタフェ)】
【センシティヴ・シティ】


もちろん、これには川崎市民ミュージアムの学芸員さんの、意識の高さもあるのだと思います。

個人的には【泳ぐ人】が一押しで、雰囲気とユーモアを兼ね備えていたお気に入り。

その次には【センシティヴ・シティ】がまた美しい。この不思議な空間では、

映像が四方八方であり、本当に温かみがありとても感情的にこだましてくる。


本当に良い展覧会でした。この展覧会は11月4日日曜日まで開催しています。

川崎市民ミュージアムに親子そろって、GO!GO!GO!です。  出町光識



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出町光識ホームページhttp://www.mitsunoridemachi.com/


~器展の告知~
◆出町光識うつわ展 ギャラリー昨明
 10月3日~14日 福島県いわき市田人町南大平川平35−4 TEL 0246-69-2390
 震災後になって、はじめての福島での展覧会になります。ぼくの茨城でも災害を受けました。あれから作品は大きく変わり、色彩が豊かなものを作っています。お近くの方は是非お出かけください。


~展覧会の告知~
開催企画:小名浜国際環境芸術祭
開催場所:環境水族館アクアマリンふくしま(福島県いわき市) 
開催期間:2012年9月15日(土)~11月11日(日)
*2003年に開催されてから今回で9回目。キッズアート展での関連企画で、
ぼくと福島県立博物館の連携で実行した、震災後に福島県内外(世界中)の、
子どもたちから寄せられた、アクアマリンへの応援する魚の絵メッセージカードを、
2012再構成展示しました。ご協力してくれた子どもたちありがとう!

他にも大漁旗デザイン展や地球環境の保全、海洋資源の持続可能な利用をテーマとした、
芸術作品を展示されます。 ぜひ福島へお出かけください。

by ubusuna-art | 2012-10-11 11:20 | 美術館・博物館(神社)


出会いはアート。アトリエでのアート制作と、夜な夜なの日常是映画劇場のご案内。出町光識の脳内ナビゲ―ション日記  


by ubusuna-art

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