福島で見てきた今、混沌。

18日土曜日、南相馬へワークショップに向かう。

北関東道、常磐道、磐越道、東北道の高速道路を通るルート。

本来なら常磐道のみで、茨城から南相馬に入れるのだが、災害通行止めなのでね。


福島松川PAのスマートインターチェンジの出口から、一般道で松川~川俣~飯舘~南相馬に入る。

この日はカーナビがないので、2011年の震災直後の5月から来た数回の記憶をたどる。


だからなおさらのこと、川俣から飯館の道すがらにながれる車窓の風景は、目を見張る。

建物や看板の目立つポイントを思い出したり、帰りのためのポイントとして覚えていく。

それのもまして目に入ったのは、半年前よりも人影が確認できるようになったこと。

スーパーマーケットや店などやっているところもあり、取り戻していく日常、

なりわいを過ごす日常の様子がみられるようになったことに、気がつく。


たとえば斎場での葬儀の喪服の列。人が死ぬことは日常の光景。

今までそこでそんな日常も見た記憶はない。


それからジョギングをする人。あるいは、ウォーキングする集団たち。

この日常にあふれる健康志向の様子も、前なら見られなかったように思う。

でも線量計をもっていない自分には、それが健康なのかどうかはわからないのだが。。。。


それからR114号道路沿いの空き缶、ペットボトルなどのゴミ拾いに腰をかがめる女性。

いくらかポツポツと、落ちているぐらいなのかと思っていたが、

車を走らせていると、大きなゴミ袋など、目にあまるほどだいぶあったよ。

ヒドイネ。なんだか涙が出たよ。これは想像だけど。。。そんなゴミは以前には、

まったく山道にはなかったから、地元の人はこの拾い集める女性同様に、ゴミなど捨てないから、

きっと南相馬などへの復興にいく者たちが、車から投げ捨てたのだろう。情けない。


南相馬でのワークショップ後に、ある人が話していたが、今、福島で心配していることは、

これにも似たゴミ箱化だと聞いたのです。どうせ、警戒区域で人がはいれないなら、

再稼働しはじめた原発などのゴミを、まとめて持って来られてしまうのではないか?

という不安の恐怖話。

だから、町をきれいにすることに、南相馬の浜っ子の意気込みで、そんなことはなるものかと、

力を入れていた感じだったように思われた。ヒトというものは、昔からそうだが、

要らないものは川へ流し、水で流す。そのように自分の所だけ綺麗、安全ならいいと陥るものだ。


水で流すといえば、こんなこともあった。ワークショップに疲れ休んでいると、

水遊びをしていたひとり少女が、バケツを持って近寄って来て、『除染しま~す。』と、

こちらにいる大人たちのサンダルを次々に脱がせて洗うのだ。これを遊びとしてやっている。

正直、除染しなくてはいけないという怖さではなく、そのように少女が、

『除染、除染・・・』口癖にして遊ぶ姿が、なんだか正直、薄気味悪く見えてしまい怖かった。


そしてあくまで水洗いの除染は除染。水で流すだけで消えるということではない。

どこかに放射能物質が移動するだけのことなのだ。


時間の経過をもっとさかのぼると、ワークショップ当日の朝。

ホテルのテレビから流れてきた2つのニュースには、

アメリカの原子力安全委員会の発言で、福島の経験から、放射性物質の後処理が見込めないなら、

新しい原発施設は開発はしないという発言。

それからベトナムでの原発建設で、もし事故が起きた場合には、その処理の保障問題などに、

日本もベトナムと責任を持つという、E大臣の発言。

クソ!またかよ!スカポンタンと思った。福島の現状の保障処理もできないうちに、

これではますます国家詐欺だな。


2011年5月にボランティアでいった、避難所の学校は、きれいに片づけられていた。

そして裏手に何棟のも仮設住宅が立ち並んでいた。(あそこにみんな移ったのかな??)

正直、日常を取り戻しつつある福島。今回みたその福島は、震災の2カ月後に見たよりも、

今の方が個人的には混沌としているように見えた気がする。なぜだろう?


あの時、被災地、避難所で感じたのが、停滞、困惑、無秩序だとしたら、

今の日常というのは、混沌なのかもしれない。

どんな場所ですら生きていれば、混沌になるのが生活だろうが。。。

被災地ということから脱する物事が動きはじまったから、その今だからこそ、混沌なのか。。。。


南相馬で出会った、精神科医のHさんがいった。

『人は出会った出来事をなかったものにしてしまうのでは子ども。
 そこに向き合って、答えを出す行動してこそ成熟です。』


どんな答えであれ、人はそれぞれの混沌に向き合い答えを出していく、

努力をすべきなのだろうな。それは賛成反対の目に見えた2分化だけでなく。

それぞれの生きている実感こそが答えで、そしてまた見えないものだから、

それぞれの個人差はわからないとかでなく、生きているという確かな実感こそ、

保障すべきものなのかもしれない。   出町光識





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by ubusuna-art | 2012-08-20 14:07 | 日常(現世)


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