500円の重さと、美術の重さ。

今回の展覧会では、これまでとはちがい、500円の入場料をとることをきめた。

この試みに実行委員会や、アーティストさんのあいだには、

賛否のあったことだと思う。それでも継続のためには、決断をするしかなかった。



『子どもが描いたような障害者の絵画に、500円払う価値がない。』

これは実際に入場受付で、ぼくが投げかけられた言葉である。

そのヒトは、ほかにもこのようなことをいっていた。

『文化に市民がお金を払うのは務めだから。』とも。。。。

ぼくはただただ頭を下げる。。。。


展覧会を観て、500円が高い安いという批判や、批評があるのは、

当然のことだし、悪いことではない。それはお金を払ったという、

そのヒトの権利でもあるのだから。



展覧会場に入ろうとするときに、何人も、何人もののヒトが、

入場料がかかりますと、お声をかけると、『じゃあ。』と、きびす返しに立ち去る。


『じゃあ。』ってどんな意味だろう?


お隣さんのつくば市立中央図書館から、借りた本を小脇にかかえた、

そんなヒトを、何人もみた。キレイなおべべを着たご婦人も何人も返っていくのをみた。


教養とはなんだろう?



文化とはなんだろう?


別に、美術を観るのに500円払おうとしない、つくば市民を、馬鹿にしているのではない。

数は少ないが、なかには払っても観たいという人もいるのだから。。。


そのぶん、観てくれる目は真剣そのもの。

絵画やインスタレーションに、穴があくのではないかを思うほどだ。

そして明らかに、無料で観る美術展とはちがい、

じっくりと何かを感じようとしてくれている。とても有り難いことだし、

こちらも誇らしいと思う。(実際、感動したと興奮していたり、泣いてもいるからね)


たとえば、500円という金額は、障害のある利用者さんの、

少ないときの1ヶ月分の給料か、あるいは多いときの1ヶ月の給料の20分の1である。

算数が苦手で計算できない自分でも、この重さは理解できる。


日本で美術が根付かずに、教養が低く、文化が低いのはなぜだろう。


単純には結び付けられないが、

小学校の6年間で、図工の授業は70コマ。だから、45分×70コマ=3150分 約53時間

53時間を24時間で割ると、約2日が小学校での図工の時間となる。

中学校の3年間で、美術の時間は115コマ。だから、50分×115コマ=5750分 約96時間

96時間を24時間で割ると、約4日が中学校での美術の時間となる。

1年間を365日に換算して6年間だと、1825日だから、そのうちの2日。

中学校の3年間であれば、1095日のうちの4日。

このような状況が、このものづくりニッポンという底辺である。


これでは、美術に500円は払うまい。『じゃあ!』といって、文化も教養も育つまい。

観ること、感じること、考えること、作ること、創造すること、相手を認めること。。。。

そんなことが育まれるはずもない。


マックのバリューセット、牛丼の得盛り、カフェのコーヒーやケーキ、なんでもいい。

食べることを少し我慢しても、脳みそに栄養をあたえないと、

人間らしい生活や、いとなみを生きれるはずもない。


ましてや、日本再生だの、復興などということが叫ばれても、ほんとうにあり得るのだろうか。



500円の重み?美術の重み?

ただである美術とは?

あるいは放射能や放射線すら、国からタダでもらう国民性?


文化や教養があるとは、おそらく過ぎたるは及ばざるの事、腹いっぱいに食べることをやめ、

脳という心の感覚を育む人にあるものだろな。

だからあえていってしまおう!グルメとオシャレだけでは、文化や教養といえないと!

洋服を着ていてもお猿さんだよ。美味しいだけ食べては豚さんだよ。


ダメな大人はさておいて、まず、やはり子どもたちから救う、守ってあげるしかない。

500円のワンコインに、そのように思う日々。。。。

こんな苦渋を、いつも美術館や博物館の学芸員さんは、思ってるんだろうな。  出町光識

元気なアートコラボラボ2012・桜川芸術祭Ⅲ
『晴れどきどき、お散歩アート。』~障害者とアート、ぼくらが見つけたもの~
会期 / 2012年1月17日(火)~1月22日(日)
場所 / 茨城県つくば美術館 (観覧料/500円)
開館時間 / 9:30~17:00(最終日は16:00まで。入場は各々30分前まで) 

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by ubusuna-art | 2012-01-20 12:21 | 展覧会(まつりごと)


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