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笠間焼なもの

今週末の1月8日は、誕生日。。。。なので、

笠間焼陶芸家のトモダチMさんが、お祝いだぞと、

ご馳走してくれるというので、昼のランチから笠間へ。

誘ってくれたMさんのお目当ての飲食店が、

臨時休業のため、鍛冶屋さんへ。



オイラはもちろん呑んだくれ。メニューにはない、

昼から焼酎のお湯割りを呑む。





なので、誕生日のゴチのお礼に、笠間焼にまつわるはなしをした。




笠間焼の特徴は?といわれると、

『特徴がないのが笠間焼の特徴です。』という、

笠間焼作家の特徴がある。これは単に、

笠間焼の作家による歴史を知らない人のイイグサで、

具合が悪い。



f0230584_2143093.jpg

たえば、この店でだされたお茶のカップ。

(ひとによってはツマラナイカップといわれるだろう)

自分は、これを見ると、笠間焼の歴史を感じてしまう。

何の変哲もない、ロクロ成形の練り込みのカップである。

これこそ、笠間焼が伝統工芸にとどまらず、

クラフトなどに手を広げていったきっかけの技法。

これは、笠間焼という歴史の一端をかいま見る。


練り込み。あるいは練り上げという、

異なる粘土を混ぜ合わせてつくる方法は、

まずは笠間土という、自由成形にあまり不向きな点を補うことから発する。

鉄分の多い赤土は、単独ではなかなか厄介な代物である。

そこで他にある白土を混ぜることが、簡単な解決方法である。


よく混ぜわせれば、鉄分は薄まり、収縮や耐火度、

焼き色も安定する。

中途半端に混ぜれば、それはマーブリングとなり、

大理石のような模様が現れる。

これを、ロクロや、タタラで工夫していくことなどで、

笠間焼作家の技法の一端を、飛躍させた歴史がある。



まず、笠間焼が注目されたのは明治時代。

鉄赤釉という赤みの強い釉薬で、海外輸出までのひと時代を築くが、

やがて時世から売れなくなると、しばし停滞期にはいる。


昭和なかばになると、お隣の栃木県にある益子焼では、

濱田庄司さんなどの活躍から、民芸運動のブームが、

陶芸外のジャンルを巻きこみながら、全国を闊歩する。

一方で笠間焼は影となり、その名を隠し、益子焼ですと、

偽りながら販売するまでになっていたらしい。


しかし民芸ムーブメントも、高度経済成長後の日本では、

洋風のデザイン性という、アメリカ思考への移り気から、

他のモノと同様に時代遅れとなって、

なんということもないように、クラフト運動に移行される。

生活スタイルにすり寄るという、デザインそのものが意向でもあるし、

民芸運動そのものが、デザイン活動の一環だから仕方ない。


だから、笠間焼の生き残りには、時代に合わせ進みたいと、

当時古臭いと感じた釉薬の面白味ではなく、

作り手のデザインが生かしやすい、練り込みという技法に、

可能性を求めた作家が、笠間焼に出現し、多く見られたのだろう。


濱田庄司さんの弟子であった、田山精一さんは、

師匠とは異なる技法を目指したし。

練り上げという技法で、人間国宝にまでなった松井康成さんは、

伝統工芸会で生涯活躍する。

笠間焼作家とはいわないかもしれないが、

笠間という地をベースに活動していた作家で、

ネスカフェのインスタントコーヒーのCMに出演して、

練り込みカップで飲みながら、違いの分かる男といわれた、

會田雄亮さんだって、笠間があってこそ、あのカップが生産されたのだ。

またその弟子で、アメリカなどでも活動した、梶谷胖さんも、

大地地層を練り上げという技法で昇華させる。


極彩の万華鏡か、曼陀羅のごとく、彼らは魅せられていった。



なので、上記の写真のロクロでつくられたカップは、

昔からある。笠間焼らしい。地元製陶所でつくられたものだと思う。

おそらくこれは、他産地の白土に、コバルトや酸化鉄を、

数パーセント混ぜた土の3種を混ぜて、成形されたのだろう。

それより単純な物なら、笠間土単身と他産地の白土の2種類でも、

ロクロで似たような物はできるし、機械ロクロという自動成形でも、

マーブリングにする作業を、自分が修業時代にも、相当の数を生産していた。



それに他窯業産地と、笠間焼産地の異なりを考えたときに、

よそ者である陶芸家志望の人たちを、多く受け入れてきた歴史もある。

六古窯などよりも伝統は古くはないが、益子焼よりは古く、

生き残りをかけた時代から、地元製陶所は数箇所という少なさ、

その50倍以上の個人焼き物屋さんを、地域に住まわせ誕生させた。


笠間焼の特徴がないといわれるほど、自由な陶芸技法の種類には、

そのような背景があるのだろう。でもそこにはこんな、

伝統工芸からクラフトに転換する特性があったのだ。


だから、練り込みの異なる土の配合が連なるラインを見つめると、

よそから来たの者を受け入れた、風のような気配を感じ、

自己の存在を投影してならない。(よそ者だからね。)


練り込みだけが、笠間焼の特徴とまではいいきらないが、

寄り添い、混じりあうそのありさまに、有り難い感謝をおぼえる。


合い入れない物(者)が混ざるそこにこそ、

笠間焼という強さや、バイタリティを感じるのだ。

伝統工芸作家。クラフト作家。オブジェ作家。インスタレーションや陶壁など。。。。

多種多彩なに混じり合い、活躍する多くの笠間焼作家たち。。。。


練り込みカップを見るたびに、自分は笠間焼というDNAを自覚する。

笠間という場所で育って良かったと、ハッキリ胸をはれる。


練り込み、練り上げのもつ技法でなく、

ミックス、モザイク、オールアクセスという、

そのマイナス面をプラスに変換させた精神性が、

こんな時代の気概として、今の笠間焼作家にはありたいものだ。



そんな講釈をただ酒のお礼に話したんよん。    出町光識


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by ubusuna-art | 2011-01-07 01:45 | 道具(九十九神)


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